移るとお金はどう変わるか
「日勤だけの職場に移りたい」と考えたとき、いちばん知りたいのはいくら減るかです。ここには、計算で確実に出せる部分と求人票を見ないと絶対に分からない部分を分けて書いてあります。
確実に出せる — なくなる手当
いま受け取っている夜勤手当とオンコール手当は、夜勤の無い職場に移れば額面から消えます。金額はあなたの明細に書いてあるので、掛け算だけで年額が出ます。推計はどこにも入りません。
夜勤1回の手当 × 月の回数 × 12 + オンコール手当(月額)× 12
出せない — 移った先の基本給
看護師の給与は法人ごとに決まっていて、職場の種類から金額を導く式は存在しません。「訪問看護の平均年収は◯◯万円」のような数字をこのサイトが置くと、出典のない推計を当サイトが作ったことになります。ここは求人票の基本給の欄で埋めてください。
あなたの手当がいくらなくなるかは、診断の結果画面で金額を入れると9つの職場ぶんまとめて出ます。
診断をやって金額を入れる額面が減る額 = 手取りが減る額、ではない
年間50万円の夜勤手当がなくなっても、手取りが50万円減るわけではありません。額面が下がれば、そこにかかっていた所得税・住民税・社会保険料も下がるからです。とくに社会保険料は標準報酬月額の等級で決まるので、等級が下がれば毎月の天引きも下がります。
このサイトが「なくなる額」を額面でとしか書かないのはこのためです。手取りに直すには年収全体で計算する必要があるので、手取り計算ツールに、いまの年収と、手当を引いたあとの年収の2回入れて比べてください。
オンコールは夜勤とは別のもの
訪問看護ステーション・手術室・介護施設などで置かれるオンコールは、職場にいない状態で呼び出しに備える当番です。夜勤とは3つの点で扱いが違うので、求人票では別々に確認してください。
- 1待機しているだけの時間は、多くの職場で労働時間として扱われず、待機の手当が別に払われます。この手当の額に法令の定めはありません。
- 2呼び出されて実際に出勤した時間は労働時間です。それが22時から翌5時にかかれば深夜割増の対象になります。ここは法律で決まっている部分です。
- 3当番が月に何回まわってくるかは、事業所の看護職員の人数で決まります。常勤換算2.5人以上という省令の下限に近い事業所では、当番の回数が多くなります。
職場ごとの、夜勤の扱い
| 職場 | 夜勤 | 扱い |
|---|---|---|
| 病院 | あり | 入院患者がいる以上、24時間だれかが勤務している必要があります。二交代制か三交代制かは病院が決めます。診療報酬の入院基本料には、看護職員1人あたりの月平均夜勤時間数を72時間以内に収める要件があります(いわゆる72時間ルール)。これは病棟ごとの平均で、あなた個人の夜勤の上限ではありません。 |
| 診療所(クリニック) | 職場による | 無床診療所には入院患者がいないので夜勤がありません。有床診療所には入院患者がいるので夜勤があります。求人票の「クリニック」がどちらなのかは、病床数の欄を見れば分かります。 |
| 訪問看護 | オンコール | 病院のような泊まりの夜勤はありませんが、夜間や休日の呼び出しに備える当番(オンコール)を置いている事業所が多くあります。オンコールを置くかどうか、手当をいくらにするかは事業所が決めることで、法令には定めがありません。求人票で必ず確認する項目です。 |
| 介護保険施設 | 職場による | 入所施設には夜勤がありますが、看護職員が夜間に常駐しているかは施設によって違います。特別養護老人ホームでは、夜間の配置が義務づけられているのは介護職員または看護職員で、看護職員でなければならないとはされていません。オンコールで対応している施設もあります。通所(デイサービス)には夜勤がありません。 |
| 社会福祉施設 | 職場による | 入所型の施設(障害者支援施設・乳児院・児童養護施設など)には夜間の勤務があります。通所型や保育所には夜勤がありません。 |
| 事業所(産業看護) | なし | その企業の就業時間に合わせて働くので、原則として夜勤はありません。ただし交代制の工場では、事業所の稼働時間に合わせた勤務になることがあります。 |
| 学校・研究機関 | なし | 学校の勤務時間に合わせるので夜勤がありません。ただし実習の引率がある時期は、実習先の病院の時間に合わせて動くことになります。 |
| 行政(公務員) | なし | 行政の勤務時間に合わせるので夜勤はありません。ただし感染症の発生時や災害時には、通常と違う勤務になることがあります。 |
| その他(治験など) | なし | 多くは日勤のみですが、健診の繁忙期や巡回健診では早朝から動くことがあります。24時間の電話相談窓口には交代制のものがあります。 |
| 助産所 | あり | お産は時間を選ばないので、夜間の対応があります。ただし規模が小さく、体制は施設ごとにまったく違います。 |
求人票で埋めるべき5か所
- 1基本給。手当を含まない額かどうか。「月給◯◯万円(諸手当含む)」と書いてある場合、その諸手当に何が入っているかを聞く
- 2賞与。何か月分か、支給の実績はどうだったか、支給日に在籍していることが条件になっているか
- 3夜勤手当。1回いくらか。深夜割増を含む定額なのか、深夜割増が別に付くのか
- 4オンコール手当。1回いくらか。呼び出されて出勤したときは別に賃金が出るのか
- 5昇給。何年働くとどうなるか。給与表があるなら見せてもらえるか
この5つが埋まれば、いまの年収と移った先の年収を同じ形で並べられます。逆にここが埋まらないうちは、「なくなる手当」だけが確実に分かっている状態です。
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